No.72
第九交響曲
さまざまな年末行事に、ベートーベンの第九交響曲の演奏が加わるようになったのは、いつのころからだろう。地方の演奏会では、オーケストラはプロであっても、第4楽章の大合唱は、たいてい現地のアマチュアが受け持つ。というよりはむしろ、ダイク好きのアマチュア合唱団が、プロのオーケストラをバックに歌う、というのが当っている。
この曲の初演は、ベートーベン自身が指揮した。このときも、たくさんのアマチュアが参加したのだそうだ。曲そのものは、それまでの交響曲の概念を一変させてしまうほどに革命的であった、と言われている。ところが、世界的には、演奏される機会があまりないのだそうで、これほどまでにもてはやされるのは、日本独特の現象らしい。そのせいもあるのだろう。どうして日本人が、わけのわからないドイツ語で歌うのか、などと批判されたり、からかわれたりしたことがあった。
「大分第九を歌う会」が結成されて15年になる。実は、私もそのメンバーである。楽譜も読めないずぶの素人だったのが、何度か休みながらも歌ってきた。続いた理由は、歌うのが刺激的であるのは当然として、オーケストラを裏からみるというような、面白いこともあるからである。
今年は、この14日に、そうそうたるソリストを迎えて、大分文化会館で記念の演奏会をする。どうぞ、ご来場ください。きっと楽しめるはずです。と、宣伝させてもらいました。
ー1991.12大分合同新聞「灯」欄ー
★温泉マイスターnoteにも掲載しています
地球のはなし
1991(平成3)年12月14日に行われた「第15回大分第九の夕べ」の構成は次のようでした。(会場)大分文化会館;(オーケストラ)九州交響楽団;(指揮)山下一史;ソリスト(ソプラノ)東 敦子,(アルト)郡 愛子,(テノール)藤原章雄,(バリトン)岡村喬生;(合唱参加者数)227名
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