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ヘキサダイヤグラムHexa-diagram

ヘキサダイヤグラム(ヘキサ図)は、形で泉質を、色で泉温を表しています。


 一般的な温泉の主要な陽イオンは、ナトリウム Na・カリウム K・マグネシウム Mg・カルシウム Caの4種、陰イオンは、塩化物 Cl・硫酸 SO4・炭酸水素 HCO3の3種です。
(各成分に付く「イオン」と、化学記号の右肩に付く「電荷」は省略しています。)

 ヘキサ図の中央縦線の左側に3種の陽イオン(*1)を、右側に3種の陰イオンを配置し、それぞれのバル濃度(*2)を中央縦線からの水平距離で表し、それを結んでできる六角形で泉質を表現します。
ただし、このパネルでは泉質のタイプに注目して、規格化(*3)されたバル濃度を使っています。

  1. 陽イオンのNaとKは合算してNa+Kとします。ただし、KはNaの1/10程度なので、 泉質の名称ではKを無視します。また明礬温泉のような酸性泉では、H(水素イオン)も合算してH+Na+Kとします
  2. バル濃度(当量濃度):各イオンの濃度を電気量で表した表現。
  3. 規格化:6つのイオン種のうち最大の濃度を1として表示すること。 この例の陽イオンはNa+Kが最大(1)で、MgとCaはほとんど0です。陰イオンはHCO3が最も多く、次いでCl、SO4は少量です。
    したがって、泉質は「ナトリウム‒炭酸水素塩・塩化物泉(Na‒HCO3・Cl泉)」と判定されます。

泉質名のつけ方の詳細については、「別府温泉事典」の「温泉の泉質」および関連項目をご覧ください。


ヘキサ図で表現した「別府温泉」

 活火山である鶴見岳・伽藍岳の地下深部には、「二酸化炭素ガスや硫化水素ガスを含むナトリウム-塩化物泉(Na-Cl)型」の原熱水が分布しています。この熱水が鉄輪断層と朝見川断層を通って流れ出し、別府の温泉の多様な泉質を作り出しています。
 そして、鉄輪断層と朝見川断層に沿って、別府の代表的な温泉「別府八湯」があります。この図は、別府温泉の泉質を「ヘキサダイヤグラム(ヘキサ図)」で表現したものです。


別府温泉

別府温泉の中核。炭酸水素塩泉と塩化物泉の混合。近年、塩化物イオン濃度が低下の傾向。

鉄輪温泉

天水による原熱水の希釈。
高温。ナトリウム-塩化物泉が主体。

明礬温泉

蒸気による天水の加熱。塩化物イオン低濃度。硫酸による酸性泉。伽藍岳の塚原温泉と類似。鉄イオン高濃度のものもある。

堀田温泉

蒸気による天水の加熱。塩化物イオン低濃度。単純温泉。弱酸性泉も存在。

観海寺温泉

天水による原熱水の希釈。
高温。ナトリウム-塩化物泉が主体。

柴石温泉

ナトリウム-塩化物泉に硫酸成分が付加。鉄輪温泉より低温。

亀川温泉

鉄輪・柴石温泉の混合。
多様な泉質。

浜脇温泉

別府温泉の発祥地。炭酸水素塩泉と塩化物泉の混合。一部に海水浸入。

出典:大分県「世界温泉地サミット2018 展示パネル」  
監修:由佐悠紀(当博物館理事長、京都大学名誉教授、理学博士)