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HOME温泉マークを含むJIS Z8210「案内用図記号」の改正について(案)に対する意見

経済産業省 産業技術環境局 国際標準課「温泉マークを含むJIS Z8210『案内用図記号』の改正について(案)」に対するパブリックコメント

 わたしたち別府温泉地球博物館は、温泉に関する自然科学・医学・社会科学・人文科学など多岐な分野の研究成果を、出来るだけ平明な表現で世界に向けて発信・公開しているNPOです。

 当博物館は経済産業省 産業技術境局 国際標準課のJIS Z8210「案内用図記号」の改正(温泉マークを含む)については、日本の伝統文化をないがしろにし、海外からの観光客誘致に水を差す動きとして反対を表明します。

 海外から別府にやってきたばかりの留学生(※1)たちが、温泉マークの新旧の図柄を見せられ、どちらが適切か尋ねられるとはじめはほぼ全員が新マークを選んだ。
 しかし、旧マークは300年からあることを知ると、みな驚き、全員が「変えない方が良い」と意見を変えた。
「この標識はただのマークではなくて、日本人における温泉に対するシンボルですよね。 強い文化があるものに外国人は興味を持ちます」と。
  ※1 出展:APU(立命館アジア太平洋大学)に2016年9月入学の19名が、初めて温泉に入る「入湯式」( https://www.diversitybeppu.com/blank

 最古の温泉と言われるブルガリアのソフィアでは飲泉がメインで温泉の表示も「ミネラルウォーター」となっており、日本でお馴染のミネラルウォーター、エビアンやボルビックなども温泉を瓶詰したものです。
  ヨーロッパでは温泉を医療として保険の対象としているが、その中心は「飲泉」「吸引(うがい)」「シャワー」が中心で温泉に浸かる場合も水着で低温に長時間というスタイルです。

 これに反し、日本では熱い温泉に裸で、みんなで入湯する独自の文化を形成しています。
日本で使い続けてきた「温泉マーク」は、湯面に漂う湯気を表した卓越したシンボルであり、湿潤な気候に恵まれた日本ならではの風情ある景色を表しています。

 そうした背景に乏しい(であろう)新マークを安易に採用するのではなく、日本の伝統あるマークこそ世界標準にふさわしい、世界標準とまでいかなくても日本においては引き続き使用すべきであり、今回のシンボルマーク論議を機に官民挙げて日本のonsen文化の発信に取り組み、海外の方たちにonsen文化の魅力を知っていただき体感していただくことで新しい時代の観光客を創出すべきと考えます。


別府温泉地球博物館