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第31回長湯温泉 長湯歴史温泉伝承館 万象の湯
~夏と冬で違う楽しみ方ができます~

執筆者シニアマイスター 甲斐 心也

 今回はシニア・マイスターの甲斐が、大分県竹田市の長湯温泉 長湯歴史温泉伝承館 万象の湯を紹介します。長湯温泉は「日本一の炭酸泉」と謳っていますが、主として2つの泉質があります。それは皮膚に炭酸の泡が付着する二酸化炭素泉と、泡付きはなく濁り湯の炭酸水素塩泉(重炭酸土類泉)です。
 京都大学名誉教授の由佐悠紀先生によれば、長湯の二酸化炭素泉はプレートテクトニクス理論で説明できるそうで、「2億年もの時間をかけて太平洋を移動してきた海洋プレートは、アジア大陸のプレートにぶつかり、その下に沈み込んでいる。長湯温泉の炭酸ガスはマグマ起源で、その炭素の約70%は海で生成された炭酸塩起源である事がわかっている。プレートに乗っていた堆積物中のサンゴや貝殻などの炭酸カルシウムの炭酸が、マグマに取り込まれたもの」との事です。

 さて万象の湯ですが、大浴場の男湯には4つの浴槽があります。内湯には泉温43℃ほどの炭酸水素塩泉の濁り湯と、ブクブク水風呂と呼ばれる二酸化炭素泉があり、外のデッキには内湯からオーバーフローした湯を貯めた炭酸水素塩泉と、ブクブク水風呂があります。湧出量は187.2L/分もあり、成分総量3g超の湯が惜しげもなく掛け流されています。

 ここ万象の湯では夏と冬で違う楽しみ方ができます。夏のお楽しみはこのブクブク水風呂で、泉温は25℃程ですから濁り湯で温まった身体をクールダウンするのにピッタリです。冬のお楽しみは露天風呂で、湯中に溶け込んだカルシウム成分が冷えて固まり、油膜の様に表面を覆います。これをバリバリと壊す瞬間がとても楽しいのです。ただし、一番風呂を狙う必要がありますけど。

 以前、支配人さんに教えてもらったのですが、温泉施設を作るに際して、真水を求めて井戸を掘ったらこの炭酸水の冷鉱泉が湧き出したので、水風呂として使うことになったそうです。したがって、温泉掘削の許可は得ていないらしく、それで分析書もないようです。

 最後におんせん県おおいたが誇る二酸化炭素泉のベストスリーを紹介します。第一位は竹田市の七里田温泉の「下ん湯」で、泡付きの良さでは日本一とも言われます。第二位は九重町の「山里の湯」です。泉温が40℃近くあり、冬でも寒い思いをしませんが、泡付きは折り紙付きです。第三位は竹田市の長湯温泉の「ラムネ温泉館」です。湯温は32℃程でかなりぬるめですが、濁り湯の内湯もあるので安心です。



【温泉分析書データ】
 マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉、43.9℃、PH6.6、成分総計3360mg、187.2L/min

長湯温泉 長湯歴史温泉伝承館 万象の湯
大分県竹田市直入町大字長湯3264-1
0974-75-3331
9:00〜21:30(最終チェックイン21:00)
料金 大人¥500





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