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第37回湯けむり蒸しの聖地 鉄輪

執筆者温泉マイスター 前田進一郎

 昨年温泉マイスターを認定された前田進一郎と申します。
今回は入る温泉ではなく、温泉蒸気を活用して食べて飲み癒す温泉のご紹介です。

 先ず自己紹介をさせて頂きます。
 私は佐賀県唐津市生まれで別府市鉄輪で薬膳レストラン「蒸士茶楼(むしちゃろう)」を経営しております。
 亡き“男前の叔母”が別府浜脇にあった「塩久旅館」を営んでいて両親に連れられ、幼少の頃から幾度となく別府に訪れ旅館の湯船の掃除など手伝ったりと「働かざる者食うべからず」を叔母から教わりました。
私は中国料理歴40年余で今まで「蒸す」という調理法も普段業務としておこなってきました。
 仕事の経緯で日出町のホテルの料理長に赴任しゆかりのある別府温泉の素晴らしさを再認識しておりました。
 そんな中、50℃洗い低温スチームの開発者、新別府出身の平山一政氏の調理法と出会い「蒸す」概念が一変、同時に鉄輪Love、冨士屋ギャラリーの安波治子氏とも出会い彼女が主宰されている「蒸しくらぶ」に参加。低温蒸しを研究する中、長年作ってきた雲南料理「汽鍋(チーグオ)」蒸しスープを地獄釜で作ることになり、その時飲んだスープの美味しさに衝撃が走り、それ以来鉄輪の蒸気に魅せられその温泉蒸気を活かした身体の中から健やかになる癒しの料理と蒸気の可能性を日々探求しています。
 ご存じの通り別府温泉は火山性温泉で活火山鶴見岳・伽藍岳その扇状地の北側に鉄輪断層があり鉄輪は塩化物泉メタ珪酸豊富で弱酸性の泉質でそのリンス効果の機能浴も人気のエリアで店の源泉は「温泉閣」の蒸気を引き蒸気工学を取入れた特注の地獄釜で蒸しに特化した料理を作っています。

温泉閣の温泉成分は
PH5.2弱酸性 メタ珪酸193mg/L 泉温96.2℃
Na+=1135.2/K+=163.7/Mg++=2.7/Ca++=28.8/Cl-1721.3/
SO4=346.3/H2SilO3=193/HBO2=74.5/ CO2=22/H2S=0.2
蒸発残留物=3701mg

 鎌倉時代の時宗一遍上人が鉄輪温泉の地獄を納め現存する温泉山「永福寺」の宿坊跡が「温泉閣」です。
 御宿として140年の歴史ある名湯の温泉蒸気を引けたことも不思議なご縁です。
一遍上人は踊念仏=盆踊りの開祖で沖縄のエイサーもつながりがあると言われています。
人の身体の老化現象の元凶AGEs(Adbanced  Glycation End Products)をフランスの科学者で物理学者のルイ・カミ―ユ・メラールが1912年に発表しました。メラールが英語読みで「メイラード反応「」の語源です。タンパク質・コラーゲン泉維・血管・糖尿病合併症などの老化現象を「その調理法の指針として「蒸し料理」は一番老化を発生させない調理法と位置づけています。
 また18世紀半ばから19世紀にかけて起こった蒸気機関の開発で起こった産業革命は言うに及ばず太古から現在の生活はエネルギー利用の上に成り立っていてその「蒸気・水蒸気」の活用は重要な位置にあります。平山氏との出会いから熱力学の深淵さを知ると温泉の蒸気・熱源の利用は大自然と一体の地球循環のエネルギーの恵みとして有効利用が必須と思います。
 私は中国伝統医学に基づいた薬膳を取入れた料理とともに「蒸しの聖地 鉄輪温泉の奇跡の蒸気」から学び温泉蒸気の無限の可能性を愉しみながら温泉の素晴らしさをシェアーさせて頂きたいと思います。

蒸士茶楼 http://64cyaro.com/blog/271/
平山一政『50℃洗い』と『低温スチーミング』http://www.steaming-cook.com/
温泉閣 http://onsenkaku.sakura.ne.jp/


地獄蒸しの原型蒸気


蒸気工学を取り入れた柔らかく細かい蒸気


汽鍋 底に穴があり煙突状の突起から


当店の蒸気システム


水を一切入れないで具を入れ地獄にかける


蓋をして3~4時間蒸す


身体ぽかぽかの透明な滋養スープ完成


同様に具を入れないと上質の蒸留水ができる






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