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2021.08.26

第43回大分県の極上冷鉱泉2泉
~酷暑と東京オリンピックの熱気の中でも身も凍る~

 今回はシニア・マイスターの甲斐が、酷暑と東京オリンピックの熱気の中でも身も凍るような、大分県に湧く極上の冷鉱泉2泉をご紹介します。


 一つ目はその名も恐ろしい「寒の地獄温泉」です。大分県玖珠郡九重町の長者原からやまなみ道路を牧ノ戸峠方向に5分ほど進んだところに、一軒宿の「寒の地獄旅館」があり、その園内に霊泉が湧き出しています。
 以下、平成23年9月9日の入湯記録を引用します。「満を持してか、覚悟を決めてか、ついにここを訪れた。園内は思いの外広く、落ち着いた印象の宿だ。旅館の玄関で案内を乞うと、ご主人が丁寧に入浴法を指南してくれた。
 初めの3分はものすごく冷たいが、その後は徐々に慣れてきて、20分ぐらい浸かると効能が上がるそうだ。水着に着替えて早速浸かると、肌を刺す冷たさにふるえが来るほどだ。歯を食いしばり、時計を睨んで3分たつと、少しは慣れてきたような気がするが、5分が限度だった。

 ストーブがガンガン焚かれた部屋で、体を乾かしつつ温め、成分をいぶり込む。壁一面に入浴者の落書きがあり、高校・大学の陸上部の書き込みが目立つ。
 10分ほどして再挑戦、しかしここでギブアップ。
 これほどの冷泉が毎分2000L以上、しかも100年以上も前から湧き出しているのだ。次回は硫黄分たっぷりの加温の湯につかってみたいものだ。」

 次に平成28年5月4日の入湯記録です。「冷泉にそのまま浸かれるのは夏季の7月から9月までの3ヶ月のみで、それ以外の時期はこの冷泉を温めた旅館のお風呂に入れることになっている。
 旅館の玄関で案内を乞い浴室に向かうと、中庭の中央にこの冷泉が流れる小川があり、真っ白に染まった川底の上を透明度の高い源泉が流れている。家族湯の切石の湯に案内され、入ってみると36℃ほどでぬるすぎる。慌てて服を着てフロントに声をかけると、同じく家族湯の檜の湯に案内された。ここも40℃ほどでややぬるめだ。それ以上に残念なのは硫黄の痕跡すら感じられないことだ。冷泉を薪のボイラーで温めているのだが、恐らく温めすぎで肝心の硫化水素は揮発してしまっているのだろう。」



 2泉目は大分県由布市庄内町の「白水鉱泉 黒嶽荘」です。平成24年7月1日の入湯記録より、「気温が高いのと湿度が高いのと、不快感はうなぎのぼりだ。涼を求められる温泉はないものか。白水鉱泉の炭酸泉を思い出し、車を走らせた。深い森の奥に佇む山荘の風情、そこにコンコンと湧き出す炭酸冷鉱泉。浴室には8.4℃冷鉱泉の源泉と42℃の加温漕がある。源泉は冷たすぎてとても浸かれないが、加温槽は多めに加水してゆっくりできた。加水といってもその水が炭酸泉だから、何も問題ない。浴後には冷鉱泉ソーメンを味わった。」

 さらに平成27年7月25日の入湯記録より、「北部九州の梅雨明け宣言はまだだが、じっとしていても汗が出るような、うだるような暑さだ。今回のテーマはズバり「涼を求めて」で、まずはここを訪れた。
自然林の木立の中を進んでここまで来ると、ヒンヤリとした空気に包まれている。ここの冷泉は鉄分や土類がほとんど含まれておらず、ピュアな炭酸泉だ。

 まずは名物の炭酸素麺で腹ごしらえ。贅沢なほどに湧き出す冷泉で冷やされた麺と、自家製のピリッと辛いゆず胡椒が食欲をそそり、たちまちたいらげた。
さて眼目の冷泉に浸かるとしよう。浴室に泉温8.4℃の源泉槽と40℃の加温槽がある。加温槽には源泉の蛇口が付いていて、思いっきり加水してぬるめにすると心地いい。源泉槽は「寒の地獄」の14℃より冷たく、さすがに浸かることは出来なかった。遊離炭酸1789mgだが、加温槽での泡付きはなく、浴後に体がほてった様に感じられるのは、炭酸泉の効能だろう。」


 猛威を振るうこのコロナ禍で、温泉入浴も自粛せざるを得ず、過去の入湯記録を引用して掲載させていただきました。



【温泉分析書データ】
寒の地獄温泉 大分県玖珠郡九重町飯田高原
   単純硫黄冷鉱泉、13.6℃、PH4.6、成分総量431mg、
   無色・澄明・殆ど無味・中硫化水素臭、2160L/min (2020.8.7)

白水鉱泉 黒嶽荘 大分県由布市庄内町阿蘇野2259
   単純炭酸冷鉱泉、8.4℃(加温42℃)、PH5.3、成分総量1085mg、
   無色・澄明・中炭酸味・無臭 (H18.6.29)




寒の地獄温泉

白水鉱泉 黒嶽荘


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