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2022.5.26

第53回高松クレーター(コールドロン)の湯? 仏生山温泉

執筆者温泉マイスター 安藤幹也

 私事ではあるが50才代を中心にした頃、12年半ほど四国にて単身赴任生活をしていた。月に一度は別府に帰って来ていたが、その他の休日にはうどん屋を捜したり、造り酒屋を巡ったり、屋島や讃岐富士や金毘羅の山に登ったりしていた。道後温泉のほか、四国には有名な温泉は多くはないが、それでも小さな温泉を捜して楽しんでいた。

 高松に住んでいた2005年、新しい温泉施設ができたとのニュースが流れた。それが、仏生山温泉である。高松市内から真直ぐ7㎞ほど南下した琴電の琴平線は、仏生山駅の辺りで大きく方向を変え、西の金毘羅に向かう。仏生山町には高松藩主松平家の菩提寺、法然寺があり、その門前町として栄えた街である。

高松クレーター
 1990年代に重力探査により、仏生山町を中心に直径約4㎞、深さ千数百mの伏在陥没構造(高松クレーター)が発見された。水不足の四国の貴重な水資源を期待して「隕石衝突孔説」も提唱されたが、地質分布や300mの温泉ボーリン調査結果から、厚い凝灰岩類などから構成される「火山カルデラ跡説」も主張された。1995年度に高松市が電気探査等による本格的な調査した結果、地下にお椀状の地質構造が確認され、凝灰岩の空隙に水が含有されていても、ボーリングによる汲み上げは不可能であると評価された。高松クレーターは、約1400万年前のカルデラ跡(コールドロン)と考えられている。
※高松クレーター http://doboku7.sakura.ne.jp/kikou/dobokukikou69.pdf

グットデザイン賞
 仏生山温泉は、明るく開放的なモダンな建物で、2007年のグッドデザイン賞を受賞した。ガラス戸・窓が多用され、浴場(男湯)は中庭のあるロの字に配置され、一辺が脱衣スペース、それに直行した一辺が室内の暖かい大浴槽と岩盤浴室。残りのL字のニ辺に露天・半露天の冷たい浴槽が配置されて、中庭には、木も植えられていて、青空や星空を気持ちよく眺められる。脱衣スペース・大浴槽スペースも大きなガラス窓で中庭に繋がっている。

「仏生山まちぐるみ旅館」
 父親の掘削した新しい温泉の施設を設計したのは、仏生山温泉の“番台”であり建築家の岡昇平さん。さらに2012年、岡さんは「仏生山まちぐるみ旅館」という取組を始めた。お風呂は仏生山温泉、朝ご飯は近くのカフェやうどん屋。空き家を「仏生山まちぐるみ旅館 温泉裏の客室」にリノベーション。サンドイッチ屋さんや素敵な雑貨屋、美味しいコーヒー屋さんなどができて、仏生山エリヤ全体の魅力を高めている。

泉質
 温泉の表示によれば、ナトリュウム-炭酸水素塩・塩化物温泉(弱アルカリ性高張性低温泉)泉温源泉32.5℃、pH7.5、陽イオン計3345.4㎎、陰イオン計7091.2㎎ 遊離二酸化炭素202.4㎎。
露天の浴槽には源泉が流されているようで、長湯のラムネ温泉よりは暖かく、七里田温泉下ん湯よりは冷たい感じ。
滑りやすいヌルヌル感があり、暫く入っていると細かな気泡が身体に付いてきて気持ちが良い。

香川に行かれた際には、さぬきうどん屋巡りの合間に仏生山温泉を組み入れては如何でしょう?
ぬるくて気持ちの良い温泉では、先客がいるとなかなか湯元の近くに浸かれないのが玉に瑕ではあるが、仏生寺温泉で新しい温泉の形を感じていただけるのではないのでしょうか?
                 


*温泉マイスターnoteでも情報発信してます。
https://note.com/onsen_meister/n/n9ea391b38950?magazine_key=m4bd80cee2914

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