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第14回長者原温泉「オーベルジュ・コスモス」
~目の覚めるようなオレンジ色の湯~

執筆者シニアマイスター 甲斐 心也

タデ原湿原

 今回はシニア・マイスターの甲斐が、大分県九重町の長者原温泉のオーベルジュ・コスモスを紹介します。
 九重飯田高原の玄関口である長者原、シーズンには多くの登山客で賑わいます。また、目の前に広がるタデ原湿原は、「山岳地域に形成された中間湿原では、国内最大級の面積を持つことなどから、国際的にも重要な湿地であると認められ、2005年11月に坊ガツル湿原とともに「くじゅう坊ガツル・タデ原湿原」として、ラムサール条約に登録(長者原ビジターセンターHPより)」されています。


オーベルジュコスモス


 高原の木立の中に佇む小さな洋風旅籠のここは、県営の国民宿舎がリニューアルされて2011年にオープンしました。2017年2月19日の入湯記では、「浴室に入ると黄土色の内湯が目に入る。ここの湯は「長者原源泉」といい、近くの「法華院温泉別館 花山酔」と共用のようだ。鉄(Ⅱ)を7.5mg含み、赤みの強い濁り湯となっている。
露天風呂に出ると、やわらかな冬の陽光が燦々と差し込んで、目にも鮮やかなオレンジ色の湯が湛えられていた。」と記述していました。


血の池地獄


 「おんせん県おおいた」で赤い湯といえば、まずは「血の池地獄」が思い浮かびますが、残念ながら足湯のみで入浴する事はできません。由布市の下湯平地区に「下湯平温泉 幸せの湯」という名湯がありましたが、残念ながら閉鎖されてしまいました。臼杵市の「鷺来ヶ迫温泉 俵屋旅館」の加温浴槽も見事なオレンジ色の濁り湯で、同じ九重町の「筌ノ口温泉 共同浴場」の湯や、竹田市久住の「レゾネイトクラブくじゅう 紅殻の湯」、由布市の「高崎山温泉 おさるの湯」の紅茶色の湯などがあげられます。


オーベルジュコスモス



 前回までは「単純泉」との表記でしたが、新しい分析書は「カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉」に変わっていました。長湯温泉の土類泉に鉄分をたっぷりと溶かし込めば、ここのような湯色になるのです。「カルシウム-硫酸塩泉」は旧泉質名では「石膏泉」です。また、遊離二酸化炭素を349mg含有する「重炭酸土類泉」でもあり、マグネシウムやカルシウムの土類成分が強く、保湿成分のメタケイ酸を349mgも含むものの、湯上りは肌にカサカサ感が残ります。硫酸塩泉は血圧の降下作用があり「脳卒中の湯」とされ、その鎮静効果から「傷の湯」「痛風の湯」ともされます。とにかく、複雑な成分を持つ個性的な湯なのです。

 1枚¥1,000で長者原温泉郷の3湯が楽しめる「温泉手形」が発売されていますので、これを購入するとお得に湯巡りが楽しめます。


九重念仏水


 近くの民家に豊後国風土記の朝日長者伝説(長者原という地名も朝日長者に由来)に登場する「念仏水」があります。このあたりは昔、熱湯を吹き上げる地獄地帯だったのですが、長者が裏の合鴫山に財宝を埋め、秘密を守るため人夫や牛馬をこの地獄に投げ込んで殺してから、冷水が念仏を唱えるようにブツブツ湧き出したそうです。




寒の地獄


星生ホテル山恵の湯

 長者原から牧ノ戸峠に向かう県道別府一の宮線沿いには、摂氏14℃の冷鉱泉の「寒の地獄温泉」や、酸性緑礬泉や硫黄泉の大露天風呂のある星生温泉九重星生ホテルの「山恵の湯」などの名湯が点在しています。



長者原温泉 オーベルジュ・コスモス 
大分県玖珠郡九重町田野228−1
電話0973-79-2221
営業時間11:00~15:00
¥600




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