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第17回湯来・湯の山温泉(広島市)

執筆者広島市在住 高橋秀明・潤子

 温泉地らしい温泉が少ないといわれる広島県で、初夏を迎えるころから魅力を増すのが、湯来(ゆき)・湯の山温泉だ。平和記念公園などがある広島市中心部から車で約50分。「佐伯区」の住所表記に驚かされるほど静かな山あいの湯町にはホタルが飛び交い、冷たさが心地よい名物・源泉打たせ湯が共同場で存分に楽しめる。「広島の奥座敷」と呼ばれたほどの賑わいは減ったものの、露天風呂を復活させるプロジェクトが形になり、自然体験や交流イベントのほか、こだわりのカフェやそば店なども近隣に増えるなど、活性化の新しいステージを迎えている。

 車で10分ほど離れている湯来町のこの二つの温泉地は、1972年に連名で国民保養温泉地に指定された。弱アルカリ性の弱放射能冷鉱泉の優しめの泉質も、ほぼ変わらない。

 湯の山温泉は、江戸時代に広島藩主浅野氏の湯治場として栄えた歴史があり、湯屋を含む本殿などの「湯ノ山明神社」は国重要有形民俗文化財に指定されている。そのすぐ下に位置し、石段を上った場所にある共同湯が「湯の山温泉館」だ。

 秘湯の風情を備え、広島では珍しく飲泉もできる「水汲場」もある。ここの名物が、4メートル上の岩盤から約24度の源泉をダイレクトに「体感」できる冷鉱泉の打たせ湯だ。最初は痛いような感覚もあるが、じんわりと凝りが和らぐのが分かる。加温された内湯と温冷交互浴をすれば、しびれるような感覚が癖にもなる。近くには温泉プールやトレーニングルームを備えたクアハウスもあり、健康づくりのスポットとしても活用されている。

 一方の湯来温泉は、リニューアル10年を迎える「国民宿舎湯来ロッジ」と昔ながらの旅館「河鹿荘」の2軒があり、6月下旬になると渓流沿いにホタルの乱舞が見られ、祭りも開催される。お勧めは、ロッジにある非加熱の源泉風呂。サラリとした湯の山温泉の肌感覚とは少し違った、ツルリとした湯の感触が楽しめる。

 湯来温泉で注目されているのが、2000年に閉鎖された露天風呂「湯元」を復活させるプロジェクトだ(https://yuki-yumoto.com)。新たにヒノキの湯船を備え付け、貸し切り湯として再開を目指している。地元のNPO法人が事業費をクラウドファンディングなどで集め、ロゴや記念タオルなども作成。8月オープンを目指している。

 大規模から小規模へと移り変わってきた湯来・湯の山温泉。コンニャクなどの特産にも磨きをかけながら、温泉をメーンにキラリ光る特長を生かした交流拠点として期待が高まっている。


1.神社と一体化したような湯の山温泉館。湯治場のような風情もある(筆者撮影)



2.冷たさが染みる湯の山温泉館の打たせ湯。夏にはもってこいだ
(NPO法人湯来観光地域づくり公社提供)



3.湯の山温泉館のすぐ横にある「水汲場」(筆者撮影)



4.復活へ準備が進む湯来温泉の「湯元」の外観
(NPO法人湯来観光地域づくり公社提供)



5.「湯元」にはヒノキの湯船が備え付けられ、オープンを待っている
(NPO法人湯来観光地域づくり公社提供)




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