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第20回知られざる別府の個人湯舟の魅力について

執筆者温泉マイスター協会 評議員 土谷雄一

私たちの別府温泉には2000孔を超える源泉が存在します。
これは観光パンフレットやwebページで誰もが周知している別府温泉の一番のキャッチコピーです。
誰もが口をそろえて『源泉数・湧出量日本一』を呪文のように唱える。
しかしもって、その数千もの源泉を具体的にイメージするには
余りにも数多であるために、全景把握にはかなりの知識と経験がないと困難であります。
それでは、その数多の源泉について少し解析して考えてみようと思います。
まずは源泉利用の用途を・ホテル旅館・公衆浴場(共同湯)・個人利用・地熱地用の4つのカテゴリーにわけてその比率を見ると
最も多いのが
 ① 個人利用(70%以上)
 ②ホテル旅館(およそ16%)
次いで
 ③公衆浴場(およそ7.5%)・地熱利用(およそ5%)
※大分県温泉利用状況報告書2015年3月31日現在
このデーターより、別府温泉の源泉利用のなかで観光利用は案外少ないと言えます。
立ち並ぶホテル旅館の温泉をもってしても源泉全体の16%にすぎません。
ましてや全国的にたぐいまれなき公衆浴場文化こそ別府温泉らしさと思いきや、これも7.5%にとどまります。

全国の公衆浴場の数ランキングを県別に見てみると
 1位が長野県(671か所)
 2位鹿児島県(553か所)
 3位静岡県(486か所)
 4位北海道(476か所)
次いで5位に大分県(371か所)
と、それほど公衆浴場の数では優位にあるわけではありません。 やはり別府温泉らしさ、他に類を見ない特徴と言えば、やはり全源泉の70%以上を占める個人湯源泉の多さではないでしょうか。
自らが温泉を所有して温泉に密着して暮らす文化こそが、全国一の源泉数を誇る別府の根底にあるのです。
ではいつごろから私たちは個人で源泉を持つようになったのかを見てみます。
大正14年の大分県統計書より県内2065カ所の調査源泉のうち、
自家飲用浴用が1534か所となっており(74%)を占めています。
続いて旅館利用285か所(14%)、公衆浴場160か所(8%)の順となっています。
すでにこの頃から今に至るまで個人湯源泉こそがおんせん県おおいた別府八湯を支えていると言えます。
あちらこちら、敷地内から自噴する温泉を半地下の湯舟を造り利用してきた文化だと言えます。
大切に守り、遺していきたい別府温泉らしい個人湯文化。
とはいえ、個人湯とは決して一般提供されないものでありますから
これを観光資源に用いることはとうてい目的が異なりますから、これが永遠の謎となるわけです。
しかしまちがいなく言えることは、別府の源泉の70%は個人源泉で
それが実際に存在して日本一の源泉数を支えている源であることはまちがいありません。
ここでさらに興味あるポイントについて考えます。
はたしてその源泉数と実際に利用されている湯舟の数は同じ数なのか?という点。
文化的遺産別府の湯けむり保存計画の記述によると
市内8社の温泉配湯会社の配湯ラインは総延長42km。4166戸へ配給されている。
さらに別府市総合振興センターで122戸への配湯を行っている。
また、ひとつの源泉を近所数件で共同利用している数が1600戸あまりあるとされています。
ですから湯舟の数は、源泉数の2倍以上の5888戸にもなるのです。まさしく謎湯の世界です。

別府八湯温泉道(温泉スタンプラリー)も発足から20年近くになり8000人超えの名人を生みましたが、これをもってしても、のべ加入施設数は200湯余りです。
例えこの温泉道を極めたとしても決して別府温泉を知り尽くしたなどと豪語することはできません。
別府温泉に存在する2000孔以上の源泉とさらに5000以上の湯舟を把握するにはまだまだ乏しいと言えます。

東の横綱草津温泉と比較してみても、西の横綱別府の誇る湯舟数では別府の圧勝となります。
別府温泉誇りと言えば湯舟の数圧倒的日本一、世界一であると自信を持って宣言したいものです。
別府温泉の永遠の謎!まさに神秘の温泉地!
一生探求しても知り尽くすことのできない別府八湯に壮大なロマンをいだくのであります。
暮らしに密着して発展し続けた別府の独自の温泉文化こそが唯一無二の別府らしさといえるのではないでしょうか。





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