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訃報・サンガ・ンゴイ・カザディ博士

 別府温泉地球博物館設立のきっかけを作り、理事をつとめておられたサンガ・ンゴイ・カザディ博士は入院加療中でしたが2015年6月28日に逝去されました。理事、会員、バーチャル博物館読者の方々に謹んでお知らせ申し上げます。

 サンガ博士はコンゴ民主共和国出身。京都大学大学院で地球物理学の博士号を取得したのち、1994年から14年間、三重大学および三重大学大学院で助教授、教授をつとめ、環境科学や地球科学の研究・講義を行ないました。(2008年、三重大学より名誉教授を授与)

 別府温泉との縁は、2007年4月からAPU立命館アジア太平洋大学(別府市十文字原)の教授として赴任されたことによります。「別府の風景は毎日、見るたびに感動する。とても美しい場所だ。でも情報発信が上手じゃないね。世界の人々が訪れる発信をしなくっちゃ。ぼくが手伝うよ」というのが当博物館設立の出発点でした。

 母国アフリカの数種の言語、フランス語、英語、日本語を自在に話し、書き、世界各国にたくさんの友人を持っておられましたが、とくに日本との縁は深く、サンガ教授の『難民の子どもたちを教育する学校』をたくさんの日本人が支援していると聞いています。サンガ教授がコンゴに設立したいくつもの学校では約5000人の子どもたちが教育を受けており、「ストリートチルドレンだった子どもが勉強して今ぼくの顧問弁護士になっているよ」とうれしそうに話しておられました。

 2014年から京都大学生存圏研究所の教授となり、GISおよび人工衛星技術を用いた気候・環境動態解析・モデリングなどの分野を手がけられました。今後の地球環境の研究においても、またアフリカと日本の深い交流おいても、得難い貴重な方を失ったと思います。ご冥福をお祈り申し上げます。