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別府温泉辞典

あ か さ た な は ま や ら わ

ポンティング;Herbert George Ponting (1870-1935)

はーばーと じょーじ ぽんてぃんぐ



ポンティング;Herbert George Ponting (1870-1935)

はーばーと じょーじ ぽんてぃんぐ

 ポンティングとは、19世紀末から20世紀初め頃に活躍した英国出身の写真家で、英国のスコット大佐の2回目の南極探検(1910~12年)に、写真掛として同行したことで知られていますが、それに先立って、1902年頃から1906年までの間に数回にわたって来日し、日露戦争にも従軍しました。そうした日本滞在記を「In Lotus-Land Japan」として、1911年にロンドンで出版しました。その邦訳(大部のため、約半分を割愛)は「英国人写真家の見た明治日本 この世の楽園・日本(長岡祥三 訳)」という題で、2005年5月に講談社学術文庫の一冊として刊行されています。
 ポンティングは、九州にも来て(日付は不明ですが、少なくとも2回は来たようです)、熊本の水前寺公園を見物し、阿蘇山に登り、沈堕の滝を見物し、竹田の町を経て、別府を訪れました。別府では砂湯を経験し(足を浸けただけのようです)、鉄輪で2つの地獄(坊主地獄・海地獄と推測されます)・蒸湯・地獄蒸しを見ました。
 鉄輪では、十人ほどの男たちが温泉に入っている写真を残しています。浴槽は細長く、深さは40センチほどで、男たちは仰向けになって横に並び、一方の縁を枕にし、他方の縁に脚をのせています。いわゆる「寝湯」のようです。
 なお、邦訳には寝湯の写真だけが掲載され、竹田・別府・鉄輪の文章は割愛されていますので、その部分の訳を別項「ポンティング:竹田・別府・鉄輪の記」に掲載します。原本を閲覧させていただいた、神奈川大学図書館に感謝します。

執筆者由佐悠紀)
参考文献

由佐悠紀(2007):英国人写真家ポンティングが訪れた明治末の別府と鉄輪、ゆけむり散歩、57.

ポンティング:竹田・別府・鉄輪の記

 ポンティング:竹田・別府・鉄輪の記

執筆者由佐悠紀)