エアリフト :air-lift
エアリフト
井戸水位が地面より低いとき、水を得るには何らかの手段が必要です。縄を縛りつけた容器(釣瓶:つるべ)を井戸に下ろして汲み上げるのが、最も簡単な方法ですが、小口径の井戸には使えません。そこで、動力を用いた採取装置(ポンプ)が工夫されました。様々な形式のポンプの原理は、ほとんどのものが水に圧力を掛けて流れを作り出すと言うものです。
エアリフトも水流を作り出すことに変わりはありませんが、アイディアは異なります。「エアリフトの概念図」をご覧ください。たとえば、水プールに設置した揚水管の中に、送気管を通して、空気圧縮機(コンプレッサー)で圧縮した空気を送り込みます。すると、送気管の先端より上の部分の水には空気が混入するので、全体として体積が大きくなり(比重が小さくなり)、揚水管内の気液混合水は、プールの水面より高い所まで上昇します。図のように揚水管を途中で開いておけば、噴出することになります。

エアリフトの概念図 |

エアリフトの実例 |
エアリフトに必要な器具は、揚水管・送気管・コンプレッサーの3点セットで、エアリフトポンプあるいは気泡ポンプと呼ばれます。取扱いが簡単で、小口径の井戸に適用でき、安価なので全国的に広まりました。
エアリフトは手軽で便利な揚水法ですが、次のような欠点があります。
(1) コンプレッサーの運転音が騒音となる。
(2) 炭酸カルシウム質や鉄質の温泉沈殿物(スケール)が出来やすい。
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由佐悠紀)