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別府温泉辞典

あ か さ た な は ま や ら わ

安山岩

あんざんがん

 火山岩のうち、主要成分のケイ酸(シリカ;SiO2)の割合が53~63重量%のものを安山岩と言います。南米のアンデス山脈に見られる同種の火山岩に、英語名のandesite(アンデサイト)が付けられました。「アンデス山脈の岩石」という意味ですが、日本語名は、この英語名にちなんでいます。
 安山岩は、アンデスや日本列島などの沈み込み帯に一般的な火山岩で、別府温泉の背後にそびえる鶴見火山群の火山岩もほとんどが安山岩です。ただし、噴火時期によって含まれる鉱物(成分)の種類や割合が異なり、これを反映して、岩石の形態(緻密さなど)や色調はさまざまです。白っぽいものの中には、シリカの割合が63重量%を超えているものもあり、それらは「デイサイト」と呼ばれます。(別府石を参照してください。)

表 鶴見火山群の安山岩の化学組成(重量%)の例(いずれもデイサイトに近い)

  SiO2 TiO2 Al2O3 Fe2O3 MnO MgO CaO その他 Total
鶴見岳 62.32 0.66 16.33 5.18 0.12 2.44 5.90 5.75 98.70
伽藍岳 60.71 0.78 16.61 6.00 0.14 2.83 6.09 5.42 98.58
執筆者由佐悠紀)
参考文献
D. F. Lapidus (1990): Dictionary of Geology, Collins.
高橋正樹・小林哲夫(編)(1999):「九州の火山」,築地書館.
竹村恵二・由佐悠紀(1993):別府地域の火山岩調査,大分県温泉調査研究会報告,44,15-24.
竹村恵二・由佐悠紀・馬渡秀夫(1994):別府地域の火山岩調査(2)-北部地域-,大分県温泉調査研究会報告,45,11-14.