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かざんがん
溶融した高温の造岩物質〔マグマ:magma〕が冷え固まって出来た岩石を、「火成岩」と総称します。そのうち、地表に噴出(噴火)、または地表近くに留まって、急速に冷却して出来たものを「火山岩」と言います。この生成過程で、マグマの一部が分別したり、周辺の岩石を溶かし込んだりするため、多様な化学組成の岩石が生じますが、主要成分はいずれもケイ酸(シリカ;SiO2)で、その割合(重量%)によって4種に大別されます。
火山岩の種類
| ケイ酸濃度 | 名 称 | 色 | 粘 性 |
| ~53重量% | 玄武岩 | 黒っぽい 白っぽい |
低い(流れやすい) 高い(流れにくい) |
| 53~63重量% | 安山岩 | ||
| 63~70重量% | デイサイト | ||
| 70重量%~ | 流紋岩 |
ケイ酸以外の主要な物質は、アルミニウム・鉄・マンガン・マグネシウム・カルシウム・ナトリウム・カリウムなどの金属で、これらの割合が大きい(ケイ酸の割合が小さい)ものは黒っぽい色をしており(玄武岩)、金属成分が少ない(ケイ酸が多い)ものは白っぽい色をしています(デイサイトや流紋岩)。別府温泉の熱源域である鶴見火山群の安山岩(別府石)は、中間的なものです。
噴火時のマグマ(溶岩)は、ケイ酸の量が少ないほど粘性が低いので、玄武岩質の溶岩は容易に流れて台地状の地形を作り、粘性が高い安山岩質の溶岩は盛り上がってドーム状の山容になります。
別府地域には、玄武岩以外の火山岩が全て存在します。ただし、規模は小さいのですが、塚原高原にある鬼箕山の火山岩は、ケイ酸濃度が54.3重量%と、玄武岩に極めて近い組成をしています。10数km四方という狭い範囲に、これほど多様な火山岩が分布するのも、別府地域の特長と言えます。
鬼箕山(おにのみやま)
伽藍岳の西方、塚原温泉への入口辺りにある。農具の箕のような形をしているので、この名が付けられたという。現在、これを縦断して、大分自動車道が通っている。
マグマが地下深部でゆっくりと冷え固まったものは「深成岩」と呼ばれます。代表的なものが、建材・石碑・墓石などに使われる「花こう岩」で、流紋岩と同じ様な化学組成をしています。
この項については、フィールド博物館のジオコースを参照して下さい。