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温泉とツーリムズ 人材育成部門 中山 昭則

2012年9月1日更新

第2回
「別府温泉の華々しいデビューとその特徴点(その1)」

 別府温泉は明治初期の全国の温泉浴客数がランキング形式で掲載されています。これによると別府・浜脇温泉は年間2万2千人で26位となっています。第1位は道後温泉で何と72万人を数えております。しかし、カウント方法について尚詳細な検討が必要ではありますが…。それが、1923年(大正12年)になると、別府温泉は78万人で全国第3位と躍進し、華々しく全国デビューを飾ったといえるでしょう。大正時代にランキング入りした顔ぶれを見ると、明治初期のものとはガラッと変わっています。例えば、第2位の年間百万人の入浴客を集めた城崎温泉は前回1万2千人で50位位でした。その他山口県の湯田温泉も上位にランクインしています。これらの温泉地はこの間に鉄道が開業しています。別府温泉も明治末に鉄道が開業しました。このように、鉄道の普及によって温泉地がより観光地としての役割を高めていったことは間違いなさそうです。



参考文献

内務省衛生局編(1886年):『日本鉱泉誌』
内務省衛生局編(1923年):『全国温泉鉱泉ニ関スル調査』
関戸明子(2007年)『近代ツーリズムと温泉』ナカニシヤ出版